久々に小説ページを更新しました。
履歴を見ると前回更新から一年以上経ってますね…時の流れは怖い!
(ちなみに言い訳をすると、この期間全く小説を書いていなかったわけではありません。
確かに頻度は前より少なくなりましたが、サイトに掲載されてない小説もちょこちょこ書いてたりしましたので;)
さて、今回は『客層ボタン』の後書きです。
続きからどうぞ。
小説にも書いてある通り、コンビニのレジには「客層ボタン」なるボタンが存在します。
これはどうやらメーカーのマーケティングで、買ったお客さんの性別と年齢を把握するためにあるようなボタンです。しかし、一度コンビニの店員をしてみればわかりますが、このボタンは非常に押し間違いの多い、いうなればかなりいい加減なボタンです。というのも、売り場の店員はお客さんの見た目から年齢や性別を把握し、このボタンを押さなくてはならず、特に混んでいる時などはお客さんの顔を見ずに会計を済ませてしまうこともしばしば、というか、かなり頻繁にあります。故に、このボタンだけをメーカーがマーケティングに活かすのは、おそらく難しいであろう、というのがコンビニ店員からの印象です。
かくいう私もこの一年間コンビニでバイトをしていて、このボタンをかなり適当に押していました。特によく押すのが、49のボタンで、二十代や五十代をどう見ても越えている人でも49のボタンを押したりしていました。また、お客さんの見た目と年齢の推定をしつつも客層ボタンを押し間違えることもしばしばりました。そのときは、何となくですがメーカーの人とお客さんにごめんなさい、と心の中で謝ったりしていました。
こうして日々バイトをしている間に、「このボタンを押し間違えた時に、お客さんの見た目が変わってしまったら、どうだろう」と考えるようになりました。
この発想、当初は一万字くらいでおもしろ半分に書けるだろうか、と思いながら妄想していたのですが、いざ書き始めてみると「現実的に考えたら、まずレジの撤去を考えるだろう」とか「こんなことが実際に起きたらお客さんは店に来なくなるだろうな」とかかなり店の経営に関して突っ込んだ構想になりました。で、どうせ書くんだったら、ファンタジーにつきぬけるよりも、私が今までバイトをしてきた経験を生かして、多角的・現実的に書いた方が面白いのでは、と考え、コンビニの客層ボタンを取り巻く登場人物たち、というのを作り込んで行きました。
とはいえ、割と困難とぶっつけが多かったのも事実(笑)
客層ボタンの押し間違いそのものについての話はさくさく考えられたのですが、登場人物をどう使っていくか、というのに今回は珍しく苦戦。
いつもだったら登場人物の過去がこれこれで、経歴がこれこれで、みたいなのを先に考えてから書くので、店長を除く二人をそういうの全くなしに書き始めてしまったのは大変でしたね。益田さんは実は当初の構想では存在しなかった上に特撮好きでもアニメ好きでも何でもなかったんですが、書いている間にああなって、しかもそれが客層ボタン押し間違えの解説に用いられるようにwやっぱり書いてる間のノリもありますね…
ちなみに本作のこだわりは、ウラカミさんが持ってくる商品と、煙草の銘柄なんかです。この辺りはコンビニ店員がいつもどれだけ商品捌いているか、それを見ているか、っていうのを表わしたかった感じです。
主人公の塩さんがウラカミさんから聞かれている「なんて漢字書くの?」はよく私も聞かれます。(笑)というか、私が聞かれるのでちょっと似たようなことをしてみました。
あと塩さんはいろんなシフトに入っていますが、これも私が勤めていたコンビニでの体験をモチーフにしていて、例えば早朝シフト固定、日曜の午前シフト、人手が足りないときは夕方も、なんていう勤務の仕方もありました。夕方と早朝固定で入っていた人もいてすごい大変そうだな、と思っていたりもしました。
というわけで、私が始終コンビニで一年間に体験したことに彩られた思い出作品、というのが『客層ボタン』だと言えると思います。
コンビニは店舗や従業員にもよるらしいですが、私のいた店舗は本当に楽しく仕事ができるところで、お客さんに怒られたり、従業員間でいろいろと問題が発生したこともありましたが、それも含めていい体験が出来たと思います。
何か後書きと言うより、裏話的な感じになっちゃいましたね;しかしこれについては捻りもなにも読んだまま、というのが自分の中でかなり固まっている作品な気がします。
一応念を押しておくと、作中の登場人物は全て完全に架空のものです。(笑)
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