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その時、時計が動いた

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文アル茶会:泉鏡花編メモ

以下は2020/11/7文アル茶会(泉鏡花編)の個人的な議事メモです。
離席による脱落・聞き損ないなどを含みます。

-------------------

参加者:
進行:南氏
文豪とアルケミストプロデューサー:谷口氏
泉鏡花記念館館長:秋山氏

〇基本情報
美と幻想と反俗の作家。浪漫主義の作家。
谷口:最初は『高野聖』を授業に読んだ。文体が難しかったが美しい表現だった。
鏡花は147年前の生まれ。
すずさん能楽師の内 子鼓の家。能楽に通うような雰囲気

鏡花の母は若くして亡くなった。(四人目の子29のとき/鏡花9歳の時)
鏡花の文学にどのような影響を与えたか。
→母のいる他界は憧れの場所となる。
鏡花の作品は妖怪などを美しく表現している→なつかしさを覚えるような書かれ方をしている
鏡花の奥さんは母親と同じ「すず」さん。(名前がおなじというのは決まったようなものですね(笑)/秋山談)

鏡花文学は一般的には難しい。戯曲や作品を読みとくのに知っておいた方がいいことは?(
現実世界に以外にもう一つ別の世界がある。(天狗・妖怪が居るという世界観。)
→柳田国男の民俗学にも影響を与えている。
他界≒現実世界で叶わないことが叶う
読み解くポイントは3つ。
・美しい女性(妖怪/幽霊)が母のような優しさだけでなく、恐怖もある(『高野聖』)
・読者の想像にゆだねる(ex『龍譚談』の龍)
・既にある話を取り込み組み合わせて自分の作品に仕立てている(平家物語)
→敢えて言葉で表現しないことで広がる作品の世界観

この世とあの世の境目に特徴がある
「ものの最もひどきは黄昏なり」→何か起こるかもしれないゾクゾク感。境目の曖昧さも魅力かも。

谷口:黄昏時の表現が怖い…もう一回讀んで見たくなる

南:煙管に千代紙のキャップが付いていて可愛かった
→あの煙管は奥さんのお手製。鏡花は繊細な人。言霊信仰/作品は売るが原稿は売らない、など個性的な性格。
雷と犬が嫌い。
記憶力が抜群(10年前にあった人を覚えている)
30で赤痢になり、潔癖症に。冷ややっこは駄目(湯豆腐はOK/ただし昆布は下にしかないで上に乗せる)

文アルの泉鏡花
…潔癖症(手に白い手袋/手から感染する)
 紅葉(家紋)
 徳田・尾崎と合わせて紅葉
 手に持っている本は実際にある本?→鏡花全集の表紙+紅葉柄
 全集の模様には意味が?源氏の香道(着物の柄にもよく使われている)
 完璧人間・クールな印象のキャラ象→潔癖症から

初回装像について:
紅葉を中心に鏡花と秋声の微妙な関係が分かる(秋山談)

鏡花→秋声(距離を感じる)
 「度々お邪魔いたし候」などと鏡花が書いている。
 鏡花は動きが素早い人。秋声は胃が悪くて食べるのが遅い。
 秋声→鏡花は片思いに近い。憧れがあった。
秋声の『和解』…鏡花をKと呼んでいる。そこで「昔の思い出が思い出される」などと書いている。
二人は作風も気質もちがうが不思議を書いた。(秋山談)
 秋声:縁があって結ばれる男女の小説が多い(何となく「不思議」)
 鏡花:他界・異界などの「不思議」

〇3年前の金沢三文豪タイアップについて
秋山:中学生~20代の女性が多かった
金沢学院大学に文アルをきっかけに泉鏡花を学びたい!と来た人が多くて嬉しかった。(鏡花記念館館長)

谷口:文アルをきっかけに若い人が大学に入ってくれてありがたい。
研究したいという人が繋がってくれれば、文学は死なない。文アルを作ってよかった。

〇ゆかりの品
・鏡花ゆかりの品(うさぎの置物)…鏡花が大切にしていたもの。
形見分けに三角健正さん(最後にみとった医者・麹町の医者)からもらった。
結構目がギロっとしててリアル。
鏡花記念館の座布団に乗ったウサギが一番のお気に入りだった。

・「花ふたつ 紫陽花あをき 月夜かな」の掛け軸
日本橋の料亭で紫陽花がみえたのを参考につづったもの
「花一つ」の部分は「花幾つ」→「花二つ」から変遷
鏡花は紫陽花が大好きだった。これは全集にも収録されている。
字も繊細で美しい。(谷口談)
上の方にスペースを取ることが多い。(あえてまっすぐに書かずに強調したいものを狙っている?)
他にも鏡花は花の中だと桜が大好き。

〇質問のコーナー
鏡花作品の中で一番怖いと思うのは?
秋山:『注文帳』理由のある階段・吉原の 心中 雪の積もった吉原に鮮血が飛ぶ。
谷口:印象に残って居るのは『高野聖』山にいると幼少期の怖さを思い出す。どれも怖い…

文体に挫折したのですが、読みやすくする方法はあるか?
秋山:究極的には「」を先に読む。『化鳥』以降は講談に近いので読みやすくはなる。
谷口:私もそれが聞きたかった。
秋山:誰が何を話しているのか把握したうえで読むと読みやすい。注を読むのも〇です。

金沢にきてさらに作品世界を感じてください。

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文学・アニメ・映画そのほか、長話がしたくなった時に利用します。
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