たまには珍しくプロット立てずに書いてみようかな、と思って何も考えずに書き始めた作品。
いざやってみたらこのザマである。うっひゃあ。
今回のテーマが「ラブストーリー」だったので何にしようかなあと考えていたらこんなのが出来上がっていた。
実は某ボカロ曲にインスパイアされて書き始めたんだけどその曲は作中で原型をとどめていない。なんてこったい!しかもたぶんこれだけ隠しに隠せば誰も元ネタなどわかるわけがないだろうと思う。あとあと自分で見返しても忘れそう。まあ執筆中何度も聞き返したからそれはないかな。
内容は、とりあえず淡白な恋愛って良いよね、っていう作者の趣味丸出し。基本趣味、大体趣味。(ここ重要)それゆえいつもより話の筋も作り込まず、全然ロジカルじゃない。意味があるのはタイトルだけで、その意味は「とても弱い(=ピアニシモな)恋愛」。これが分かると後半、メゾフォルテとか出てくる楽譜に対応して何となく展開がどうなったのか読み解ける、かもしれない。
うん、男キャラには性欲を我慢させたかったという私の歪んだ欲望が如実に表現されている作品だと思います。← 自分で言うのもなんだけど「僕」をむずむずさせたかったのがよくわかるよね、これ。こういうのが好きなんだ。というか基本的に私の書くものの主人公は全員異常と思えるほど悩みまくる。それが好きだから書いてるんだけどね。嗜虐趣味とでも呼ぶがいいさ。HAHAHA。
しかし近頃人文科学系の授業を受けていてオットー・ヴァイニンガーの『性と性格』の話を聞き、作中で勢いづいて書いてしまった「僕は彼女を愛する自分自身を愛せない」って案外当たってるんじゃないかと思ってしまった。要するに女を愛しているかどうかに関わらず、男は己を愛せるかどうかが問題である、という点。まあヴァイニンガーも相当な変人らしかったのでこれを一般論に当てはめると危険な気がしないでもないけれども、少なくともそういう価値観を持っている人がいてもおかしくはないかな、とも思う。
こう思うのは私が女だからなのかしらね。
正直書いてて書き終わるかどうかはとても心配だった。実は部内で読んでもらった感想の中でも一番ラストに関して「これは違うだろ」って意見が多かったのだけれどそれは書いていた私自身も思う。ただこう〆ておかないとどこに着地するかが曖昧なままになりそうだったので、着地できる場所に着地した、という感じ。三つのイメージが同時に交錯するという構成が(『謝罪』に洩れず)好きなので、今回はラストにそれを持ってきた。あとから見返すとこれ本当にハッピーエンドなんだろうか、と疑いたくなる部分がこのラストには一箇所だけ含まれているんだけど、これに関しては読者の想像にお任せするしかない。言わなければ気付きさえしないかもしれない。ただ、僕も彼女も自己満足な人間であることだけは言っておく。ゆえにラストがいかにもハッピーっぽくおわってるのは…
ていうか今回書き終わった後になぜか異常な恥ずかしさに見舞われ「うわああああああこれは猛烈に没にしたい!!!」と思った。何か自分が恋愛小説書いてるとあとあと見返した時の恥ずかしさが半端ないね。多分今回はそれに加えていつも通りのロジカルな展開で結びきらなかったということがあるから余計にそう思ったのだろう。推敲の時のつじつま合わせが凄まじかったもんなあ…うっわあ、恥ずかしい。
実は大学在学中に書く小説で全学部の大学生を網羅したいというひそかな目標があるので、今回は音大生にしました。まあラ・カンパネラが弾ける人なんて音楽に相当入れ込んでる人じゃないと無理だろうからって前提があったんでもうモチーフと合わせていっそ音大生にしてしまえ、ってなっただけといえばそうだけど。
これを書くためにつべで何人もの弾くラ・カンパネラを聴けてちょっとテンションあがりました。参考までに一応、ネットで拾ってスコアにも目を通しました。多分作中に書かれてる強弱記号はその楽譜に倣っているはず。途中で出てくる霧雨の古城のイメージは私が実際にこの曲を聴いて抱くイメージだったりする。古城かどうかはともかく、西洋の街並みと降りしきる雨、という映像は、この曲を聴いた時に良く浮かぶ。
それにしても雰囲気小説ってどう書くんだろう。いつも思ってるけど作者だからどうしても読んでて五感が来ない。個人的には少女漫画みたいなストーリーだな、とは思うんだけど実は私は少女漫画を読んだことがあまりない。だからこそ、未知のものを書こうとするとそうなってしまうのかもしれないけど。
あとよく重厚とか、描写が細かいとか言われるけど実は自分ではあんまりそうは思ってない。寧ろ粗いんじゃないかくらいに思ってる。今回も没にしようかと思うほど、自分ではひどいなあ、と思っていたけど周りからは以前より良くなった、という声の方が多いし。やっぱり作者と読者の感じ方って大分隔たりがあるよなあ。バランスを取るのがとても難しいと思う。ちょっと作品中でも触れてるけど、「聴者が良いと思ってしまえば演奏者がどう思おうと関係ない」っていうのと同じ。読者がついてこないと、作品には意味がないんだろうと思うんだよな。
まあ趣味である限りは、自分の書きたいものを書けばいいと思う。なので私は書きたいように書く。
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